フィリピン共和国の、フェルディナンド・マルコス大統領が2023年2月8日に来日されました。その際(2023年2月10日)に開催された、LOI調印/交換式において、弊社は脱炭素社会の実現を目指したエネルギーシステムの構築に関するMOUを締結いたしました。このMOUは川崎重工業株式会社、Amber Kinetics, Inc.(フィリピン共和国、以下Amber)、Aboitiz Power Corporation(フィリピン共和国)およびアイケイエスによるもので、フィリピン共和国におけるエネルギー転換期に貢献することを目的としております。
離島や僻地の多いフィリピン共和国では、CO2削減のため、マイクログリッド(小規模電力系統)における再生可能エネルギーの導入が進んでおります。脱炭素社会の実現のため、今後さらにこの動きが加速してくことが予想されますが、既存の仕組みでは、再生可能エネルギーの利用が増えることで電力の安定供給に課題が出てきます。太陽光発電や風力発電などは従来型の電源(火力発電など)で用いられている同期発電機と異なり、電力系統との周波数が異なるので、再生可能エネルギーの発電量が増えることで系統電力が安定しなくなることがわかっています。
MOUを締結した4社により、この課題を解決するエネルギーシステムの開発を進めてまいります。
仮想同期発電機ソフトウェア(川崎重工社開発)を搭載したインバータ(アイケイエス開発)とフライホイール(Amber社開発)を組み合わせることで、再生可能エネルギーの発電量の急速な増加にも対応し、フィリピン共和国における脱炭素社会の実現と安定した電力供給の実現に貢献してまいります。
この技術は、フィリピン共和国のみでなく日本国内においても、再生可能エネルギーの利用増加に伴う系統電力安定化についての課題解決について取り組み、脱炭素社会実現に向けて貢献してまいります。